歯周内科療法


歯周病は感染症です。
歯周病の治療方法には内科的療法と外科的療法があります。
☆歯周内科療法(病原菌の除去)
1.治療を始める前に必要な検査…お口の細菌検査(顕微鏡を使用し、歯周病の病原菌を特定します。)、お口の中の写真撮影(5枚程度)
2.治療方法(薬物療法)…抗生剤の投与(3日間)、抗菌剤シロップを使用しての歯磨き(約1週間)
3.歯ブラシ…歯ブラシを使用し、プラークの除去を行います。

内科的な投薬治療なので痛みは全くありません。
病原性微生物を死滅させることで歯周病の主症状が改善します。(歯ぐきの腫れ、出血、排膿、歯の動揺など)
歯周病は一度発症すると、炎症が原因で歯と歯ぐきのあいだに隙間ができ、歯石が沈着しています。歯石が付着したままでは、再発の可能性が非常に高くなります。歯石の除去が必要です。

☆歯周外科療法(歯石の除去)
1.歯と歯の根の部分に付着した歯石の除去…器具を使って歯石の除去を行いますが、内科的治療後に行うので痛みはほとんどありません。
2.機械的歯面清掃(PMTC)…専用の器具を使用して、歯と歯の根のざらついた部分を滑沢にし、細菌と微生物が付着しにくい状態にします。

歯周病は感染症なので一旦治療が終わっても再発することがあります。お口の中から病原菌がいなくなっても、再感染してしまうと歯周病が再発します。何度も風邪をひいてしまうのと同じです。
歯周病原菌はいろんな人に蔓延しているため、食事のシェアーや飲み物の回しのみ、さらには性感染などが原因として考えられます。あまり神経質になる必要はありませんができる限りの予防が必要です。
可能であれば家族や身近な人にもこの治療を受けていただければ、再発の可能性が低くなります。胃潰瘍が、ピロリ菌が原因でおこることは、コマーシャル効果もあり随分と知られてきました。
また、お口の微生物(細菌やカビなど)が体に悪影響を及ぼしていることも随分とわかってきました。心内膜炎や髄膜炎、動脈硬化症、糖尿病などもお口の中の微生物が原因であるといわれています。
現在、様々な研究がされていますが、近い将来、お口の中の微生物をコントロールすることが、お口だけでなく体の健康にとっても大切な時代が必ず来るはずです。

診察室院内感染予防対策の重要性
☆不潔な歯科医院では歯周病は院内感染する可能性があります。
院内感染を防ぐためには
1.治療用器具の滅菌
2.医療機器の滅菌
3.器具の保管状態
治療に使用する器具・器械類の徹底した滅菌が必要です。

その他の主な感染症
B型肝炎(ウィルス感染)
C型肝炎(ウィルス感染)
梅毒(細菌感染)
HIV(ウィルス感染)
など様々な感染症が存在します。