インプラントの治療の進め方

インプラント治療の一般的な流れをご説明します

▼インプラント治療の特長
・インプラントの埋入は原則的に局所麻酔で行い、痛みはほとんどありません。
・手術時間はインプラントの本数により異なりますが、少ない場合は1時間以内で終了することもあります。
・原則的に術後入院の必要はありません。
・インプラント術後の不快感は一般的に抜歯時と同様、もしくは少ないと言われています。

インプラント治療の心構え
(インプラント治療をお考えの方必読です)

1.前日までに
手術日の予約
インプラント手術日は、その日から1週間ほどは、あまり重要な予定がない日をお選び下さい。なぜなら手術後1週間ぐらいは、少なからず患部が腫れる可能性があるからです。もし腫れている間に、人に会う予定や重要な会議などがあると困った事になるかもしれません。旅行などの予定も2週間ほどは避けた方がいいでしょう。腫れの程度には個人差があり、ほとんど腫れない人もおられますが、心の準備は必要かと思われます。

お薬(常備薬)
普段からお薬を飲まれている人は、何のお薬で何のために飲んでいるか、一度主治医の先生に相談しておいて下さい。たとえば高血圧症や動脈硬化症などの循環器系疾患の薬には、血液をサラサラにする作用(抗凝固作用)があるものが多く(ワーファリン、バイアスピリンなど)、血が止まりにくくなっているため、外科手術は要注意です。
また、術前に投薬を中止した方がよい薬もあります。
特に骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は要注意です。骨粗鬆症の薬であるビスフォスフォネート製剤が原因で、骨の正常な治癒が阻害され、最悪の場合は骨壊死をおこす事があります。骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は、必ず歯科医師に報告してください。薬の服用を中止するか、薬の種類を変えていただくことがあります。
あと、アレルギー症状(薬疹、下痢など)が出るなど、ご自身に合わないお薬がある場合も、主治医に早めに伝えておきましょう。

院長説明体調管理
インプラント手術当日は、体調万全で迎えたいものです。もし風邪をひいてしまった場合は、軽い症状(鼻やセキぐらい)なら可能ですが、熱があるような風邪をひくと手術延期となってしまいます。軽い症状でも全身疾患がある人や抵抗力の弱い人などは、術後の症状(痛みや腫れ)が強くなる可能性がある為、やはり延期する場合があるかもしれません。

たばこ
喫煙習慣のある人は、手術予定日の前後少なくとも2週間は禁煙が必要です。喫煙をされると、血液の循環が滞るために傷の治りが悪くなり、最悪の場合インプラントがくっつかないことがあります。当センターでは、インプラント治療をされる人には、手術前後だけでなく、積極的に長期的な禁煙をお勧めします。

十分なコミュニケーション
何よりも大切なことは、主治医の先生とのコミュニケーションです。聞いておきたいことは遠慮なく聞いておくべきです。もし不安があれば何度も確認しておきましょう。不安要素はできるだけ取り除いておく事をお勧めします。

2.前日
手術の不安
まずは、体調を整え充分に睡眠をとってください。不安はあるでしょうが、出来るだけ平常心でいることが大切です。手術と聞くと身構えてしまいますが、普通の歯科治療と同じような心構えで臨んでください。

痛みの不安
手術中は麻酔をしているので、通常痛みはありません。確かに麻酔の効きが悪い事もありますが、そんな時はすぐ麻酔を追加しますので教えてください。「痛いけど我慢」する必要はありません。怖がらないで手術を受けて下さい。
手術後に痛みが出た場合は痛み止めを服用して頂きます。また、1週間ほど腫れぼったい感じはあると思いますが、痛みはほとんど感じません。もし出たとしても、お薬で充分治まる程度です。ご心配なく。

手術の後遺症の不安
当センターでは、すべてのインプラント手術に先立ちCTを撮影し、顎の骨の厚みや高さ、神経の位置などを把握しています。
よって、下の顎では下顎神経の損傷による唇の麻痺や、上の顎では、副鼻腔への穿孔などの予想されうるリスクは事前に予測し、回避することが出来るようになりました。あと、外科手術なので、多少の腫れや痛みが出ることがあります。人によっては頬に青アザが出ることもあります。これらの症状は時間が経てば治ります。

3.手術当日
いよいよ手術当日です。緊張せずにあまり体力を消耗せず、時間に余裕をもって来院して下さい。
手術のためにその時間は何人もの患者さんの予約をいれずに。
また、当日までにセンターではスタッフが、器具の準備や滅菌など入念に準備をしています。なるべく遅刻やキャンセルを避けて下さい。また、手術時間は余裕をもってお伝えしていますが、予想外に時間がかかることもありますので、なるべく手術の後に大事な予定などは入れないほうがいいでしょう。
食事は、普段どおりに召し上がっておいて下さい。インプラント手術の2日前より感染予防を目的として、抗生剤を服用していただいていると思います。当日も主治医の指示通りに服用するようにしてください。そのほかに毎日飲まれているお薬(糖尿病の薬、降圧剤など)があればいつもどおり服用してきてください。
食後のハブラシも普段どおりに行ってください。手術前には、必ずトイレを済ませておいて下さい。あまり時間がかからない予定の手術でも、予想外に時間がかかる事がありますので、とても重要です。

手術前
当日来院されたら、まず手術前に、歯科衛生士による口腔内のクリーニングを行います。
手術用ガウンに着替えていただくこともあります。さらに手術中は、感染を予防するために滅菌されたエプロンやシーツなどで体全体をカバーします。
また、手術当日のお化粧は薄めにお願いします。手術のまえに、口の周辺(目より下で首から上の部分)の消毒を行いますので、お化粧が落ちてしまいます。手術が終わってからのお化粧は、麻酔でしびれているためなかなか難しいかもしれません。長い髪の毛の方は、1つ結びやお団子結びなど、頭がきちんと固定されにくい結び方はしないようにして下さい。手術室ではシャワーキャップのような帽子をかぶっていただきます。

4.手術中
心電図、血圧計
手術中は心電図、血圧計などをつけ、モニタリングしながら手術を行います。できるだけ緊張せず深呼吸して手術に臨んでください。静脈内鎮静法による手術の場合は腕から点滴により麻酔薬を投与します。手術中は今口の中で起こっていることを考えずにほかの楽しいことを考えるようにしてください。

手術中の注意事項
麻酔が効いているので痛みはありませんが、触っている感覚は残ります。
例えば頬を引っ張っている感覚、骨を削る感触や歯肉を切る感触はあるハズです。冷静に考えると 「感触はあるけど痛くはない」 という場合が多いのです。それでも痛いと感じるときはお申し出ください。
通常、歯科医師が舌をうまくよけて治療するので、舌に力を入れないようにしていてください。緊張して余計に舌や頬に力が入ったり、急に動いたりすると危険ですので、リラックスして、力をぬいた状態にしておいてください。
インプラント手術では、骨を削る時、生理食塩水がでます。また、傷口からの血液ものどに流れていきます。バキュームで吸引しながら行いますが、鼻でゆっくり呼吸をしていただくと比較的楽に手術時間を過ごせます。

院長5.手術後
安静に
手術後はなるべく安静にしておきましょう。手術後の主な注意事項は抜歯の時と同じです。お風呂・お酒・運動など、血のめぐりの良くなる事は止血の妨げになるので避けて下さい。
シャワーなら大丈夫です。その他にも、プールで泳いだり、楽器の演奏をするなどの行為も、傷にばい菌が入ったり、傷に負担が掛かる可能性があるので、しばらく止めておいたほうがいいでしょう。食事は、麻酔が覚めてから、食べやすい物を選んで食べて下さい。栄養のあるものをたべることも大切です。

出血
手術のあと、しばらく唾液に血が混ざることあります。完全に血が止まるまでには半日ほどかかることもあります。
口の中に血がにじんでいる状態は気持ちが良いものではありません。頻繁にうがいをされる人がおられますが、なるべく気にしない様にして下さい。なぜならうがいをすることで傷口にせっかくできたかさぶたが外れてしまい、出血が続いてしまうことが多いためです。「出血の量が多いのでは?」と心配される人もおられますが、安心してください。ほとんどが唾液です。しかし、血の止まりにくい病気の方もおられるので、心配な方は主治医に相談して下さい。

お薬
手術後は通常、抗生物質や痛み止めを処方いたします。
症状が軽い時など自分で薬を少なくしたり、飲むのを途中でやめたりしてしまう方がおられますが、処方された分はきっちり服用するようにしてください。主治医は手術の状況に応じて薬を決めています。口の中は細菌でいっぱいです。
傷があっても手や足と違い、絆創膏や包帯ができないために常にばい菌にさらされてしまいます。ばい菌から傷口を守る為にも抗生物質などが必要となるのです。万が一、アレルギー症状などがでた場合は早めにご相談ください。

6.その後
挨拶糸抜き
傷口の大きさにもよりますが、通常、手術後1週間で来院していただき傷口の具合を確認させていただきます。2週間後にもう1度来院していただき、そのときに抜糸をします。
人間は口の中の気になる所に舌をやるという習性がある為、無意識に傷口を舌でさわってしまう事があります。これにより縫合してある糸が緩んで傷口が開いてしまったり、インプラントが骨にくっつく事を阻害したりしてしまう場合があります。糸を外すまでは傷口をむやみに舌で触り続けることはやめましょう。

待ちましょう(くっつくまで)
インプラントと骨がくっつく現象をオッセオインテグレーション(骨結合)といいます。くっつくのにかかる期間(治癒期間)は、大体 3ヶ月〜6ヶ月です。この期間中にも、仮歯の調整や傷の経過観察のため1ヶ月に1回のペースで通院していただきます。

上部構造(インプラント義歯)
オッセオインテグレーションの期間が終わり、いよいよ上部構造の作製です。インプラントの歯の場合でも、天然の歯にかぶせ物を作製するときと同じように、歯型採り、噛み合わせの記録、色あわせを行います。最終的に歯を装着するまでに、試し入れ期間が必要な場合もあります。

歯治療終了後は…
「インプラントの歯はどの位持つの?」 とよく聞かれます。インプラントがちゃんと定着して上部構造が入り快適に咬めるようになってからも、その後の手入れがキチンとできていなければ、インプラントの歯を維持し続ける事はできません。
よく例えられるのが車です。乱暴な乗り方をすると故障の原因になりますし、長く乗るためには定期的なオイル交換も必要です。同じように、インプラントの歯も定期的なチェックとメンテナンスが必要です。貴重な時間と費用をかけた歯です、大切にお使いください。