Q&A
■なぜ矯正が必要なのですか?歯並びが悪いと次のような障害がおこります。
1.見かけが悪い(審美障害)
2.食べ物をうまく咬めない(咀嚼障害)
3.言葉がはっきりしない(発音障害)
4.歯が磨きにくいため虫歯になりやすく口臭の原因になる
5.歯周病(歯槽膿漏)になりやすい
したがって、きれいな歯並びに治すことは、口元を美しくするためだけでなく、うまく咬めてうまくしゃべれるようにし、虫歯や歯周病を防ぐためにぜひとも必要なことです。
特にお子様の場合は心理的発達をもたらします。すなわち、出っ歯や受け口などのためにおこる劣等感や、うまくかめないために給食を食べ終わるのがほかの人より遅いとか、言葉がはっきりしないために友達ができにくい…などをなくすことができます。また、お子様の悪い歯並びは、顎や顔だけでなく全体の成長や発育にも影響を及ぼします。体の健康増進のためにも矯正治療が必要なのです。
■矯正治療の時期、および治療期間は?
矯正治療は永久歯が全部きれいに並び終え、顎の発育が落ち着いてはじめて終了です。ということは、永久歯が生えそろわないと終わらないということです。それでは、永久歯が生えてから治療をスタートしたほうが、早く終わるのでしょうか?治療の期間だけを取ってみますと、そうともいえますが、治療の内容を考慮しますと、次の二つの考え方があります。
〔1〕上顎と下顎のバランスがとれていない場合、顎が成長する時期(身長が伸びる時期とほぼ同時期)に骨のバランスを取る治療を行います。その時期を逃しますと、手遅れのこともあります。 これを逆手に取って、顎の成長が終わった後、顎切除術と歯列の矯正を行う場合もあります(外科矯正)。
〔2〕早い時期に検査ができれば、その後の治療計画が立てられます。それによって大掛りな装置を使わずに、早め早めに予防や治療が出来るようになります。
以上のような理由から、矯正治療を開始する時期につきましては早めに相談されたほうが良いでしょう。
■矯正治療にかかる費用は?
矯正治療は、一部を除き健康保険は適応されません。患者さんに全額を負担して頂かなければなりません。費用につきましては、症状および治療内容により金額的にもかなりの差があります。
検査が終わり、診断のときに現在の歯並びの状態(問題点)、治療のやり方(装置)、治療の時期や期間、費用とその支払い方法などについて説明させていただきます。納得いくまでお気軽にご相談ください。
■通院は?
装置により違いますが、通常3〜4週間に一度くらいの通院になります。それくらい間をあけないと、歯が動いてゆく反応は分かりません。治療計画により、第1段階が終わりますと、次の段階が来るまで、3〜6ヵ月に一度の通院になります。
■矯正治療中、痛みはありますか?
出来るだけ自然に、歯や顎を動かすようにしています。それで、歯や歯肉の痛みも最小限に抑えるようにしています。でも、装置を入れて、3〜5日程は、歯が動き始めた証拠として、なんらかの不快症状(なんとなく気持ちが悪い、かみ合わせると痛い、など)があります。 痛みの大きさには個人差がありますが、不思議なことに、歯並びを直すのに熱心な人ほど痛みは少ないようです。
■矯正治療の進め方は?
〔1〕初診…相談
●資料がありませんので、診て感じたことをお話しします。
●矯正治療の一般的な話や、注意事項をお話しします。
〔2〕検査…まず、上下の歯型を採り、頭・歯などのレントゲン写真を撮ったり、その他色々な資料採りをします。それによりできるだけ多くの情報を得て、診断を下してゆきます。レントゲン写真は、外からは分らない骨の内部や歯の状態を知らせてくれます。
〔3〕診断…下記のことをお話し致します。
●検査の結果(問題点)
●治療計画、治療の時期(いつ)、治療の目標(何を)、装置(どうやって)
●料金
→治療または観察計画により、すぐに治療にかかる場合と、しばらく観察を続ける場合があります。
■治療をうけるにあたり大切なことは?
治療がうまくゆくかどうかは、歯科医師の力のみではありません。ご本人が努力してはじめて治療は順調に進みます。長時間かかりますから途中で嫌気がさしたり、投げ出したくなったり、いろんなことがあると思います。そんな時には、周りの温かい目、特に御家族の励ましが重要です。本人と家族、それに医院とそれぞれが力を合わせ治療をすすめてゆくことが大切です。
患者さんに守っていただきたいお約束がございます。
●装置を歯科医師の指示通りに使う。
●診療予約を守る。…適切な時期に的確な処置をすることで効率よく歯の位置を動かしていきます。
●歯をしっかり磨き、虫歯から守る。…虫歯のリスクが高い中で矯正装置を使って行きます。きちんと歯磨きができない人は、装置は使えません。装置の下にも毛先を突っ込むようにして磨きます。
■おとなになってもできますか?
出来ます。矯正治療には年齢制限はないと言えるでしょう。「子供の治療と同じでしょうか?」いいえ、同じではありません。上顎や下顎の骨の成長が終わった後では、骨のバランスを取る治療は矯正装置のみでは出来ません。(必要な場合は外科の手助けをかります。) また、骨が固くなってくるため歯の移動に時間がかかりますので治療期間が長くなります。
数本の歯を矯正すること(MTM)は、通常通り可能です。